【喫煙と飲酒の影響】血流を滞らせるタバコと栄養を消費するお酒の真実【連載第3回】AGA薄毛と生活習慣
こんにちは。おもろまちヘア美容Clinicの院長です。
8月の沖縄は、心地よい夜風が吹く時間帯になると、冷たいビールや泡盛を片手にご家族やご友人とゆっくり過ごすのが、何よりの楽しみになる季節ですね。
また、一日の終わりにほっと一息つきながら、タバコを吸う時間が習慣になっている方もいらっしゃるかもしれません。
こうした親しい方々との時間やリラックスタイムは、日々のストレスを解消するために大切なひとときです。
しかしその一方で、ふと抜け毛や髪のボリューム低下が気になり始めると、「やはりタバコを吸っているから、髪に良くないのだろうか」「お酒を毎晩飲む習慣が、薄毛を進行させている原因かもしれない……」と、ご自身の嗜好品への付き合い方に、人知れず罪悪感や不安を抱えてしまう方も少なくありません。
タバコやお酒が体全体の健康に影響を与えることはよく知られていますが、実は髪の毛にとっても、これらは髪を育てる土台を揺るがす要因のひとつになっています。
今回は、喫煙と飲酒が髪の成長にどのような変化をもたらすのか、わかりやすくお話ししていきたいと思います。
タバコのニコチンが招く、頭皮の血流と酸素不足
まず、喫煙が髪の毛に与える影響についてお話しします。
髪の毛の最深部にある「毛根」には、髪に栄養を届ける「毛乳頭」と、細胞分裂を行って髪を組み立てる「毛母細胞」があります。
この組織は、頭皮を網の目のように流れる細い「毛細血管」から、酸素やアミノ酸などの栄養を受け取ることで働いています。
タバコを1本吸うと、煙に含まれる「ニコチン」が体内に吸収されます。
ニコチンには、自律神経の交感神経を刺激し、血管を収縮させる作用があります。
タバコを吸うことで全身の末梢血管が一時的にギュッと縮んでしまうと、心臓からもっとも遠い場所にある頭頂部(分け目やつむじ)の地肌には、十分な血液が行き届きにくくなります。
さらに、煙に含まれる一酸化炭素が血液中のヘモグロビンと結びつくことで、髪を育てるために欠かせない「酸素」の供給量も低下してしまいます。
この「血管の収縮」と「酸素不足」が繰り返されると、毛包内の細胞が栄養不足の状態になりやすく、新しく生えてくる髪が太く育つ前に成長を止めてしまう原因になることがあります。
アルコールの分解が消費してしまう、髪の「原材料」
次に、お酒(アルコール)が髪に与える影響を見ていきましょう。
「適量のお酒は血行を良くするから、髪にも良いのでは」と思われるかもしれません。
確かに血行を促す一面はありますが、問題はアルコールが体内で「分解」されるプロセスにあります。
お酒を飲むと、アルコールは肝臓で「アセトアルデヒド」という物質に分解され、その後無害な酢酸へと処理されます。
この分解・代謝の過程で、体内では多くの「アミノ酸(特に髪の主成分ケラチンを作るために大切なシスチンやメチオニン)」や、代謝を助ける「ビタミンB群」「亜鉛」などの微量ミネラルが消費されてしまいます。
髪の毛の約90%は18種類のアミノ酸が結合した「ケラチン」というタンパク質でできています。
お酒を過剰に飲みすぎてしまうと、せっかく毎日の食事から摂取した貴重なアミノ酸やビタミン、亜鉛が、髪を作るためではなく、アルコールの分解処理のために優先的に使われてしまいます。
これにより、頭皮の毛母細胞に届くはずだった栄養が不足し、髪が細く脆くなったり、一時的に抜け毛が増えたりすることがあります。
こうしたお話をすると、「やはり、自分がタバコやお酒をやめられないから、薄毛(AGA)が始まってしまったんだ……」と、落ち込んでしまう方も少なくありません。
ですが、どうぞご安心ください。
医学的には、AGA(男性型脱毛症)の主な原因は、タバコやアルコールそのものではないと考えられています。
AGAは、遺伝的な要因や男性ホルモンの影響によってヘアサイクルが縮んでいく、進行性の脱毛のひとつとされています。
そのため、どれほど強い意志でタバコをやめ、お酒を控える生活を続けても、生活習慣を整えることだけでAGAの進行を止めることは難しいと言われています。
ただ、お酒やタバコとの付き合い方を見直し、生活習慣を整えることは、髪がこれから健やかに育っていくための土台(頭皮環境)を整え、進行のスピードをゆるやかにするために、とても大切なことです。
治療を受けている方であれば、この土台があってこそ、効果もより感じやすくなると言われています。
お酒やタバコとの付き合い方を見直すことは、AGAそのものを直接治す治療法ではありませんが、あなたの大切な髪が育つための、心強いサポートになります。
今日からできる、無理のない小さな引き算
いきなり「今日から禁煙・禁酒をする」と決めてしまうと、その強いストレス自体が自律神経を乱し、かえって血管を収縮させて頭皮に負担をかけてしまうこともあります。
まずは、
- タバコを吸った後は、意識的にコップ1杯の温かいお水を飲む(水分を補給して体内の代謝を助ける)
- お酒を飲むときは、同じ量の「チェイサー(お水)」を交互に挟む
- おつまみに、亜鉛やアミノ酸を補給できる「枝豆」や「するめ」を取り入れる
といった、日々の生活の中で無理なくできる小さな引き算と足し算から始めてみるのがおすすめです。
地肌をいたわるその優しい選択が、数ヶ月後のあなたの髪の健やかさを支えることになります。
「自分の地肌は、今どのくらいダメージを受けているのだろう」「この抜け毛は、タバコの影響なのか、それともAGAの進行によるものなのか……」
そうした不安が頭をよぎったときは、どうぞお一人で思い悩まないでくださいね。
おもろまちヘア美容Clinicでは、毛髪診断士と医師が連携しながら、一人ひとりの状態に合わせて丁寧にサポートしています。
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― 次回予告 ―
次回は、本連載の最終回となる「毎日の洗髪習慣」についてお届けします。
シャンプーが頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌を招いてしまう仕組みと、地肌のバリアを守る正しい髪の洗い方・乾かし方について、わかりやすくお話しします。
次回のコラムも、ぜひ楽しみにしていてくださいね。
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