コロナ後遺症脱毛

コロナ後遺症脱毛とは

コロナウイルス感染後の後遺症として脱毛症状のご相談が増えています

新型コロナウイルス感染後の後遺症として、脱毛症状に悩む方が急増しています。

コロナ感染から回復した後、全身倦怠感・息苦しさ・関節痛・味覚障害といった症状とともに、年代・性別問わず「髪が抜ける」症状を訴える方が多く見られています。

とくに脱毛症状は後遺症の中でも比較的頻度の高い症状とされており、当院でも2020年夏以降ご相談件数が増加しています。原因はまだ明確には解明されていないものの、当院で治療された多くの患者様が改善を実感されています。

コロナ後遺症脱毛が引き起こる原因とは？

新型コロナウイルス感染症は、以下の3種類の脱毛症と関連があると報告されています。

• 男性型脱毛症（AGA）
• 休止期脱毛症（TE）
• 円形脱毛症（AA）

アメリカの研究グループが1,826例の症例を分析した結果（JAAD International誌、2022年2月22日）

• 男性型脱毛症（AGA）：全体の30.7％（男性の86.4％）
• 休止期脱毛症（TE）：19.8％（男性の19.3％）
• 円形脱毛症（AA）：7.8％（男性の40.0％）

この研究によると：

• AGAはもともとAGAの既往歴がある方が100％
• TEは93.6％が初めての脱毛経験（＝コロナが原因）
• AAは95.1％が円形脱毛症の既往歴あり

つまり、今まで脱毛症の経験がない方が、コロナ後に脱毛した場合は「休止期脱毛症（TE）」の可能性が高いといえます。

休止期脱毛症とは？

休止期脱毛症は、身体的・精神的な強いストレスの数ヶ月後に起こる、一過性の脱毛症です。

• 発熱のある感染症
• 外傷や手術、大量出血
• 急激なダイエット
• 出産やホルモン変化

といったきっかけでも起こりやすく、毛髪のサイクルが一時的に崩れ、毛が一斉に抜けるのが特徴です。

毛髪には次のようなサイクルがあります。

• 【成長期】5～6年：毛が伸び続ける
• 【退行期】2～3週間：毛根が萎縮する
• 【休止期】3～4ヶ月：毛が自然に抜ける

通常、毛髪の約85％が成長期・10数％が休止期にありますが、新型コロナ感染後には成長期が一気にストップし、休止期に移行してしまうと考えられています。

多くの場合は、感染から約2ヶ月後に抜け毛が始まり、約100日続き、半年ほどで自然回復してくるケースが多いとされています。

コロナ後遺症による円形脱毛症

当院にご相談される患者様の多くは、「全体的に髪が抜ける」ことに悩んでいますが、中には初めて円形脱毛症を発症された方もいらっしゃいます。

研究データでは、新型コロナ患者で円形脱毛症を発症した人の95.1％が円形脱毛症の既往歴を持つとされており、 コロナが直接円形脱毛症を引き起こすとは断定されていません。

しかし、自己免疫疾患やストレスが誘因となる円形脱毛症の特性から、感染による身体的・精神的ストレスが関与している可能性は否定できません。

治療期間は症状によりさまざまです。軽症の場合は自然治癒することもありますが、重度の場合は数年単位の治療が必要となるケースもあります。

当院でも、2～3年継続して治療されている患者様がおられます。AGA治療のように明確な発毛期間を提示しにくいのが円形脱毛症の難しさでもあります。

コロナ後遺症脱毛の治療

多くの場合、毛周期の自然回復により、半年ほどで改善がみられます。

しかし中には、感染から半年以上経っても脱毛症状が続く方もおられ、不安を抱える方が少なくありません。

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