「ストレスで薄毛になる」は本当?悩む人のための、こころと髪の正しい知識【連載第1回】ストレスと髪の関係
こんにちは。おもろまちヘア美容Clinic 院長です。
沖縄にも、朝晩に少しひんやりとした風を感じる季節がやってきました。夏の疲れがふっと出てくるのも、ちょうどこの頃です。
仕事や家事、子育てに追われる毎日の中で、鏡を見て「最近、髪が元気がない」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなとき、まず頭に浮かぶのが「ストレスのせいかもしれない」という言葉です。
たしかに、こころと体はつながっています。けれど、髪の悩みのすべてがストレスで説明できるわけではありません。
今月は「ストレスと髪の関係」をテーマに、4回の連載でお届けします。第1回の今回は、こころと髪の関係について、分かっていること・まだ分かっていないことを整理していきます。
「ストレスのせいだから仕方ない」とあきらめる前に。そして「気にしすぎる自分が悪い」と責めてしまう前に。この記事が、正しく知るきっかけになれば幸いです。
こんな方に読んでいただきたい記事です
・抜け毛が増えたのは「ストレスのせい」だと感じている方
・ストレスがなくなれば髪も戻るのか、知りたい方
・髪のことを気にしすぎる自分を、責めてしまっている方
「ストレスのせいかも」と感じる人に多い3つの思い込み
当院にご相談にいらした方からは、こんな声が届いています。
「抜け毛が多く不安でした」
「抜け毛が増えて、全体的に薄くなってきた」
「鏡を見た時、髪が薄いと思った」
そして、その理由を「最近忙しかったから」「ストレスのせいかもしれない」と考える方も少なくありません。
髪の変化に気づいたとき、多くの方が次のような思い込みを持ちやすいようです。
1. 抜け毛が増えたのは、全部ストレスのせい
・忙しい時期と重なると、つい結びつけてしまいがちです。
・けれど、季節や体調、髪の生え変わりのリズムなど、ほかの理由で増えることもあります。
2. ストレスがなくなれば、自然に元に戻る
・一時的な抜け毛であれば、落ち着いていくこともあります。
・一方で、ストレスとは関係なく少しずつ進むタイプの薄毛もあります。
3. 気にしてしまう自分が悪い
・髪のことが気になるのは、ごく自然なことです。
・ご自身を責める必要はまったくありません。
ひと口に「抜け毛・薄毛」といっても、その中身は人によってまったく違います。だからこそ、まずは正しく知ることが大切なのです。
毛髪科学で「ストレスが関わる」と考えられていること
そもそもストレスとは、外からの刺激によって体の内側に生じる反応のことです。その原因になる刺激を「ストレッサー」と呼びます。
ストレッサーには、暑さ・寒さのような物理的なもの、病気や睡眠不足のような体の負担、そして職場や家庭での不安・緊張といった心理的なものがあります。人の場合、とくに大きいのは心理的・社会的なストレスだといわれています。
ストレスの感じ方は、人によって本当にさまざまです。周りから見れば小さなことでも、その人にとっては大きな負担になっていることがあります。「これくらいで悩むなんて」と、ご自分の感じ方を否定しなくて大丈夫です。つらいと感じているなら、それは十分に向き合う価値のあるストレスです。
実は、髪の変化とストレスの関係は、科学的な根拠がまだ十分とはいえません。そのうえで、毛髪の専門家の間でも「ストレスが関わっているのではないか」と考えられているのが、次の4つです。
1. 円形脱毛症
・もともとなりやすい体質の方では、強いストレスが発症のきっかけになることがあると考えられています。
・ただし現在では、根本には、免疫のしくみが誤って自分の毛根を攻撃してしまう体質があると考えられています。ストレスはあくまで「きっかけ」のひとつで、心が弱いからなるものではありません。
2. 抜毛症
・ストレスがきっかけとなり、自分では止められずに髪を抜いてしまう状態です。
3. ヘアサイクルの乱れ
・ストレスを受けたときに体内でつくられるホルモンによって、髪の生え変わりのリズムが乱れる可能性があるといわれています。
4. フケ・かゆみなどの頭皮トラブル
・ストレスで無意識に頭をかく → 頭皮に小さな傷ができる → フケやかゆみが出て、またかいてしまう。
・こうした悪循環で、頭皮の状態が悪くなることがあります。
実は「ストレスとの関係が薄い」と考えられていること
反対に、ストレスとの関係は薄いと考えられているものもあります。ここが、意外と知られていないポイントです。
1. 男性型脱毛症(AGA)
・AGAは、男性ホルモンの働きによって起こるものです。そのため、ストレスとの関係は薄いと考えられています。
・AGAでは、髪が育つ期間(成長期)が短くなり、太く育ちきる前に抜けることをくり返します。その結果、少しずつ細く短い毛が増えていきます。
2. 白髪
・「ストレスで一晩にして白髪になった」という話を聞くことがありますが、実際にはあり得ないことです。
・すでに生えている髪の色が、一晩で抜けてしまうことはありません。
ここで、ひとつお伝えしたいことがあります。
髪の悩みを、すぐストレスに結びつけてしまう方は少なくありません。けれど私たち専門家は、ストレス以外の原因もきちんと考え、ひとつずつ解消していくことが大切だと考えています。
「ストレスがなくなれば戻るはず」と様子を見ている間に、別の原因で変化が続いていることもあります。早めに原因が分かれば、それだけ安心して次の一歩を選べます。
「ストレスのせい」と決めつけるより、「今、何が起きているか」を知る。それが、遠回りをしないためのいちばんの近道です。
こころと髪のために、今日からできる3つのステップ
1. 「いつから・どこが」をメモする
・抜け毛が増えた時期、気になる場所、そのころの出来事を書き留めておきましょう。
・原因を考えるときの大切な手がかりになります。
2. 頭をかく・触るクセに気づく
・考えごとをしているとき、つい頭に手がいっていませんか。
・気づいたら手を止めるだけでも、頭皮への負担を減らすことにつながります。
3. 体を休める時間をつくる
・極端に偏った食事や、極度のストレスが続くと、髪にも影響が出る可能性があるといわれています。
・睡眠、食事、ゆっくり湯船につかる時間。体を休める習慣を、できるところから大切にしてください。
ひとりで決めつけず、一緒に「今の状態」を知ることから
「ストレスで薄毛になる」という言葉は、半分は正しく、半分は誤解を含んでいます。
ストレスが関わる可能性のある髪のトラブルもあれば、ストレスとは関係の薄いものもあります。だからこそ、ひとりで「ストレスのせいだ」「自分のせいだ」と抱え込まないでください。
不安に感じていること自体が、ご自身の髪を大切に思っている証拠です。その気持ちを、前に進む力に変えていけたらと思います。
当院では、毛髪診断士が今の頭皮と髪の状態を一緒に確認し、気になることをじっくりお聞きしています。「まだ治療は考えていない」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。
「気のせいかな」より「確かめてみよう」。その一歩を、私たちがお手伝いします。
次回予告
第2回のテーマは「抜け毛が急に増えたとき」です。強い疲れや体調の変化から数か月たって、抜け毛がどっと増えることがあります。髪の生え変わりのリズムがそろってしまう「休止期脱毛症」のしくみと、様子を見ていい目安をお話しします。
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