冷房で頭皮も乾燥する?沖縄の夏に気をつけたい頭皮の乾燥とバリア保護術【連載第3回】夏の髪と頭皮のお手入れ
こんにちは。おもろまちヘア美容Clinicの院長です。
「夏のヘア対策シリーズ」全4回のうち、第1回は紫外線対策、第2回は皮脂と頭皮のベタつきについてお話ししました。
第3回となる今回のテーマは、「冷房による頭皮の乾燥とバリア保護術」です。
沖縄の長い夏は、強い日差しと暑さのある屋外から、冷房の効いた室内や車内へ移動する機会が多くなります。
外では汗をかくほど暑い一方で、室内では冷たい風や乾燥した空気に長時間さらされることもあります。
こうした急な温度差や乾燥した冷風は、知らないうちに頭皮の水分を奪い、乾燥やかゆみ、フケなどのトラブルにつながることがあります。
「夏は汗や皮脂でベタつくから、頭皮の乾燥とは無縁」と思われがちですが、実は冷房の影響によって夏でも頭皮が乾燥している方は少なくありません。
今回は、冷房によって頭皮が乾燥する仕組みと、頭皮のバリア機能を守るために今日からできる保湿・乾燥対策について、わかりやすくお話しします。
冷房が頭皮を乾燥させるしくみ
「夏は汗や皮脂でベタつくから、乾燥とは無縁のはず」と思っていませんか?
実は、夏こそ頭皮がもっとも乾燥しやすい季節のひとつだと考えられています。
健康な頭皮では、脂腺から分泌された「皮脂」と汗腺から出た「汗」が適度に混ざり合うことで、頭皮の表面に「皮表膜(皮脂膜)」という薄い保護膜がつくられています。
この皮表膜は、角質層からの水分蒸発を防ぎながら、外部の細菌や刺激物質が入り込むのを防ぐ、バリアのような役割を担っていると考えられています(皮脂膜については、前回のコラムでも触れました)
しかし、エアコンの冷風が同じ場所に当たり続けたり、室内の湿度が急激に下がったりすると、この皮表膜による保護がうまく働かなくなることがあります。
その結果、頭皮内部の水分が急激に減り、カサカサとした「乾燥頭皮」に傾いてしまうと考えられています。
乾燥によるバリア低下と、かゆみ・赤みの悪循環
乾燥した頭皮は、角層のバリア機能が低下しやすい状態になっています。
外界を遮断するバリアが弱まると、少しの温度変化や空気の乾燥、衣服・寝具との摩擦といった、ふだんなら気にならない刺激にも敏感になり、これが頭皮の「かゆみ」や「赤み」、荒れ・炎症につながることがあります。
かゆいからといって頭皮を爪で引っ掻いてしまうと、その刺激でかゆみ物質(ヒスタミンなど)がさらに分泌され、炎症が悪化しやすくなるとも言われています。
冷暖房の乾燥とAGA(男性型脱毛症)の関係について
「冷暖房による乾燥や寒暖差が、抜け毛や薄毛(AGAなど)の直接的な原因になる」という統計的な関係は、現時点では確認されていません。
AGAの主な原因は、遺伝的な要因や男性ホルモンの影響によるものだと考えられています。
ただ、頭皮の慢性的な乾燥や荒れは、これから生えてくる髪のハリ・コシ・ツヤの低下など、髪質そのものには影響を及ぼす可能性があると考えられています。
そのパラパラ落ちる白い粉、「乾燥性フケ」かもしれません
頭皮の乾燥が進んでいるサインとして分かりやすいのが、フケの性質です。
フケは、頭皮の表皮でつくられた細胞が、ターンオーバー(新陳代謝:通常は約45日サイクルと言われています)によって角質として剥がれ落ちたものですが、頭皮のコンディションによって現れ方が大きく異なります。
「乾燥性のフケ(乾性フケ)」は、白い粉のように細かく、パラパラと衣服の肩などに落ちてくるのが特徴です。
主に、エアコンなどによる空気の乾燥や、栄養バランスの乱れ、頭皮の水分保持力の低下などが関係していると言われています。
一方、黄色っぽくベタベタして頭皮にへばりつく「脂性フケ」は、皮脂の過剰分泌や常在菌の増殖が原因で、乾性フケとは発生のしくみが違うものです。
もし、夏なのに細かく乾いたパラパラとしたフケが気になる場合は、頭皮が乾燥している状態と考え、早めに保湿ケアへ切り替えることをおすすめします。
夏の頭皮バリアを守る、3つの基本ステップ
冷房による乾燥から頭皮を守り、秋に向けて健やかな髪を育てるための、洗髪以外でできる3つのケアをご紹介します。
①頭皮に直接うるおいを補う
お風呂上がりや乾燥を感じたときに、顔に化粧水や乳液をつけるのと同じように、頭皮にも直接水分と油分を補うケアが役立つと考えられています。
清潔な頭皮に、保湿性のある頭皮用のローションや乳液、あるいはスクワランや植物性オイルなどのマイルドなオイルを、適量やさしくなじませます。
オイルをなじませるときに、指の腹で頭皮を軽くマッサージするようにすると、頭皮の血行を促すことにもつながると言われています。
男性の患者様からも「頭皮全体の巡りをよくしたい」というお声をいただくことがあり、性別を問わずおすすめできるケアです。
なお、日々のシャンプー選びについては前回のコラムでもお伝えした通り、洗浄力が強すぎないものを選ぶことも、乾燥対策のひとつとして役立ちます。
②熱や乾燥を防ぐ、正しいドライヤーの使い方
「乾燥が気になるから」とドライヤーを使わずに自然乾燥にするのは、髪にとっても頭皮にとっても避けたい習慣です。
髪が濡れたまま放置されると、水分が蒸発するときの気化熱で頭皮の水分まで奪われるほか、雑菌が繁殖してかゆみやニオイの原因になることがあります。
さらに、濡れた髪は摩擦に弱く、そのまま眠ると枕との摩擦でキューティクルが傷つき、切れ毛や枝毛につながることもあります。
ドライヤーは髪・頭皮から15〜20cmほど離し、同じ場所に温風が当たり続けないよう、小さく動かしながら乾かします。
乾かす順番は、もっとも乾きにくい襟足、続いて耳の周り、そして髪の根元(頭皮)からがおすすめです。
毛先から乾かしてしまうと、根元が乾く頃には毛先が乾燥しすぎてしまうことがあります。
全体が8〜9割ほど乾いたら、最後に冷風に切り替えて仕上げると、キューティクルが引き締まり、髪がまとまりやすくなると言われています。
③エアコンの風を直接浴びすぎない環境づくり
オフィスや車内、自宅で過ごすときは、エアコンの送風口からの冷風が頭皮(特に分け目や頭頂部)に直接当たり続けないよう、風向きを調整するのもひとつの方法です。
冷房の効いた室内では、適度な湿度を保つよう意識することも、頭皮の乾燥対策として役立ちます。
まとめ:夏の乾燥ケアが、秋以降の髪と地肌を守ります
沖縄の夏は、屋外の強い暑さと、冷房の効いた室内を行き来することで、頭皮にとって意外と負担の大きい季節です。
汗や皮脂によるベタつきだけでなく、冷房による乾燥にも目を向けることが、夏の頭皮環境を健やかに保つポイントになります。
頭皮への直接保湿、ドライヤーの正しい使い方、エアコンの風を直接当てすぎない工夫など、日常の小さなケアを積み重ねることで、乾燥やかゆみを防ぎやすくなります。
夏の間に受けた乾燥ダメージをそのままにせず、うるおいのある頭皮環境を整えながら、これから生えてくる髪を健やかに育てていきましょう。
もし、頭皮の赤みやかゆみが長引く、フケが治まらないといった変化に気づいたときは、「気のせいかな」と我慢せず、マイクロスコープでの頭皮チェックを行っている専門クリニックに相談してみるのも一つの方法です。
当院は定期的に、髪のお悩みに寄り添うコラムを掲載しています。皆様の髪のお悩みに少しでもお役に立てれば幸いです。
次回【第4回(最終回)】は、「海やプールの後、髪はそのままで大丈夫?毛髪科学が警告する『塩分・塩素』のダメージと緊急美髪ケア」をお届けします。
海水やプールでのダメージの真実と、レスキューケアについて詳しくお話ししますので、どうぞお楽しみに。
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